秩父のリハビリテーションを支える病院

回復期リハビリテーション病棟

回復期リハビリテーション病棟とは

脳血管疾患や骨折などの患者様に対して、急性期治療後に連続して日常生活能力(食事、トイレ、風呂等の動作)の向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目標としたリハビリテーションを集中的に行なう病棟です。

リハビリテーションプログラム作成にあたっては、医師、看護師、介護スタッフ、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、医療相談員等が協働し、計画を立ててリハビリテーションを行います。

また、介護方法の指導や、住宅改修のアドバイス、在宅サービスの導入に関する検討など、患者様・ご家族とともに在宅療養に向けた準備を一緒に行っていきます。

回復期リハビリテーションの重要性

回復期リハビリテーション病棟は、脳梗塞や骨折などにより後遺症や身体機能の低下が生じた方が集中的なリハビリテーションを行い、もとの生活や仕事、社会に戻るための準備をするところです。入院期間はおおよそ2~3ヶ月(疾患や状態によって異なります)と一般的な入院よりもやや長いかもしれませんが、その期間しっかりとリハビリを行うことには以下のような意義があります。

身体機能の回復

例えば脳梗塞などの病気により体の半身に麻痺が出た場合(片麻痺)、病気になってから2~3か月くらいの時期がもっとも身体機能の回復が図りやすい時期と言われています。この時期に質の高いリハビリテーションを積極的に行うことで歩行能力や様々な生活動作を獲得できる可能性が高くなりますし、逆にあまりリハビリを実施できないと能力の回復が十分に得られない可能性もあります。病気や病状などにより様々ではありますが、当院の回復期病棟では医師、看護師とともに複数のセラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)が患者様を担当し、患者様の身体機能・動作能力改善に向けたプログラムを実施しています。

生活・社会への復帰にむけた支援

病気や怪我から回復すると元の生活に戻るための準備が始まります。後遺症がなくスムーズに復帰できるのが理想ですが、大きな病気・怪我のあとでは麻痺などの後遺症により元通りの動作が行えないこともあります。セラピストは患者様の機能訓練だけでなく、損なわれた身体機能を補うための動作方法や道具の工夫などについても支援をいたします。

また、一見後遺症などがないように見えても「物事を覚えることができない」、「走ってきた車に気づくことができない」、というような脳の障害(高次脳機能障害)がある場合、軽症だと退院して社会や地域に戻った後に気づくこともあります。回復期リハビリテーション病棟では担当の看護師や介護士、作業療法士や言語聴覚士が評価を行い、入院中の段階よりどんな症状があるか、生活や仕事のなかでどのようなことに気をつければいいかなどをご本人やご家族にアドバイスいたします。

当院では退院する前に、ご自宅に訪問して生活環境を確認し、必要に応じて手すりやベッドのご提案をしたりする家屋調査や、退院後に利用する訪問介護スタッフなどが集まって退院後の生活について相談する支援会議を実施し、患者様とご家族が退院後も安心して生活できるようお手伝いをしています。

回復期リハビリテーションの対象疾患

  • 脳血管疾患(脳出血・脳梗塞・くも膜下出血等)の発症後または術後の方
  • 大腿骨頸部骨折など下肢、骨盤、脊椎等の骨折後または術後の方
  • 外科手術、肺炎等の治療時の安静により生じた廃用症候群を有し、手術後または発症後の方
  • 股関節または膝関節の置換術後の方

1日の流れ

入院決定までの流れ

① 電話相談

入院・転院を希望される方は相談員まで電話(23-1300)にてご連絡下さい。入院相談面接の日程を決めます

② ご家族と面談

ご家族に来院頂き、患者様の身体状況や、家族状況、家屋状況等、社会背景についてお話を伺います。あらかじめ入院中の医療機関と相談の上、診療情報提供書・看護サマリー・検査結果を忘れずにご持参いただけますようお願いします。

③ 入院入所判定会議

診療情報提供書、面談内容を基に医師、看護師、リハビリ職、相談員等が参加し入院の可否を検討します。

④ 結果連絡

入院入所判定会議後に入院の可否・入院日(入院可能の場合)を相談員よりご連絡させて頂きます。

回復期リハビリテーション病棟における各職種の紹介

医師

回診をおこないます。また、必要に応じて病状説明をおこないます。病棟のカンファレンス、診察・検査をもとに、治療方針やリハビリの計画を立てます。

看護師

全身状態を観察し、健康管理をおこないます。退院後の生活に合わせた生活指導・介護指導をおこないます。

介護士

入院生活を安全で快適に過ごせるように、療養環境を整えます。介護指導もおこないます。

理学療法士

起きる、立つ、歩くなどの基本動作訓練を中心におこないます。

作業療法士

排泄、着替え、整容などの日常生活動作訓練を中心におこないます。

言語聴覚士

言葉や飲み込み(嚥下)の訓練をおこないます。

相談員

入院中の様々なご相談に応じます。関係機関との連絡調整もおこないます。

薬剤師

医師、看護師と連携し、適切に薬剤が使用できるようサポートします。

管理栄養士

栄養状態の管理と、必要に応じて退院時の食事指導を行います。

回復期リハビリテーション病棟の実績

 

 実績指数とはFIM(機能的自立度評価表)の変化と回復期病棟の入院日数からリハビリテーションの効果を数値化するものです。

  実績指数=(病棟退院時のFIM点数ー病棟入院時のFIM点数)/(入院日数/疾患ごとに定められた入院上限日数)

 実績指数が高いほど短い期間で生活機能の改善を得られるよう効果的なリハビリテーションを提供している指標となります。厚生労働省の基準では最も高い施設基準1の要件として40以上の実績指数が求められています。当院の回復期病棟は施設基準2を取得していますが、より質の高いリハビリテーションの提供を目指し、施設基準1の要件を満たしています。



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